January 14, 2018

ブラック零細SIerで働くとはどういうことか

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登録型の派遣エンジニアとして働いているhachiです。
今日は以前入社したものの半年で辞めたブラックSIerがどんな感じでブラックだったか書きたいと思います。

未経験からSEになるためとりあえず転職したSIerは案の定ブラックだった

いろいろと紆余曲折があったものの、ある時SEに転職することにした私は2か月ほど転職活動をし、社員40人ほどの零細SIerに転職することになった。当時、全くの未経験で20代後半だったけれど、面接で落ちたことはなく一応仕事は沢山あることがわかった。



詳しい経緯はこちら:
大企業正社員を辞めて派遣エンジニアになった感想③ - Hachi Note"



入社した会社は社員を客先に派遣するブラックの典型の「人売り企業」ではなく、一応ユーザー企業から直接受注するプライム案件を主に扱っていた。自社開発製品はなし。要件定義から開発までひととおり携われそうなところが入社の決め手ではあった。とはいえ20代後半、転職歴多々、未経験でホワイトなIT企業に入れるわけはない。だからたぶんブラックなんだろうなー、とは思っていたけど案の定そうだった。

以下はその会社のブラックポインツだ。

・みなし残業制(残業30時間/月 分が月給に含まれる)、超過分は無給

・定時は9-18時のはずが、8時半-19時半まで会社にいないと説教される

朝は「早く出社し仕事の準備を整えるため」とかいう理由。準備に30分もかからんやろ!しかも社員は9時まで席で寝てたりするし。家でしっかり寝て下さい。そして夜はもちろん「残業代払ってるんだからその分働け!」というブラック企業にはお決まりの台詞を吐かれる。こういった説教というのは社長から直々にされる場合もあるが、社長にそう命令された若手社員から小言を言われることが多かった(本人も言いたくないだろうけど)。 社員の勤怠、残業状況を誰も管理していない。そもそも申請するシステムがない リシテアのような勤怠入力システムは社内に存在しない。そもそもタイムカードもなければ社員証もない(客先に毎年配るための手帳はある)。
残業時間は人にもよるが大体月50時間くらいで私もそれくらいだった。というか増える前に辞めた。多い人は80時間越え。さすがに休日出勤は申請制で代休は取れた。労働時間の長さそのものは(残念ながら)日本のIT企業としては普通だったと思う。



・社長の怒号がたびたび響き渡るオフィス

・社長のパワハラによる精神疾患で退職者が出る

私の偏見によれば零細企業の社長は大体パラノイアなのだが、ここの社長もなかなかのパワハラ気質だった。本人は叱咤激励のつもりなのか、とにかく部下を人前で怒鳴る怒鳴る。社長に毎日怒鳴られてパニック障害になり休職していたある社員の人が復職したのだが、復帰早々罵声を浴びせられてその人は泣いていた。そして数日後に退職してしまった。その人の退職を朝礼で社員に報告するときの社長の言葉は「自分の精神疾患のせいでミスを頻発し、皆さんに迷惑をかけて申し訳ないと言っていました」。いやお前がそうさせたんだろーよ!と誰もが心の中で突っ込みを入れたことは言うまでもない。社長は前から裏で他の社員(=私)にその人のことをバカ呼ばわりしていたし、人間性がやばい。



・最初の月は給料が全額出ない

最初の月は給与振り込み日(20日)時点で月末までの一週間ほどはまだ働いてないから、とかいう理由により満額の3分の2しか給料が出ない、ということを給料日の直前に知らされる。そのため新入社員の男子は金欠で毎日もやしを食べていた。さすがに差額は退職後に振り込まれた。



・「有志の」勉強会を強制される

・無意味なしきたりがやたら多い、拘束したがる

出社時間もそうだが、会議の議事録をPCで取ろうとしたら「(いつも筆記(!)しているので)前例がない」とお役所のようなことを言われるとか、スーツのジャケットを椅子にかけたら怒られるとか、作業のためにほんの数分デスクの引き出しを開けておいただけで怒られるとか、毎週土日に「今週の学びと反省、今後の課題」についての週報を提出させられるとか、下らない決まりが多すぎて拘束されるのが苦手な私には無理な環境だった。ちなみにその土日の週報提出は、年次が上がったら今度は自分が添削する側に回らないといけない。こういう笑ってしまうようなルールは会社によって千差万別に存在するようだ。



・技術的成長は望めない

これはブラックさとは直接関係がないが、一番痛いのはここかもしれない。ブラックな労働環境に耐える理由がないからだ。この会社は基本的に社長の昔の人脈で取った大手企業の運用案件を継続することで収益の半分以上を得ており、主な業務はその得意先企業の御用聞き。つまりはいわゆる「上流SE」。開発をやることはあったとしてもマイナーなパッケージ開発ばかりで、プログラミングスキルを伸ばせる機会はほとんどなかった。ただ、上流工程を担当するSEとしてもっと待遇がいい会社に転職したい、という人であれば耐える意味はあるかもしれない。実際、某外資系ITコンサルに転職していった人もいた。私は上流SEの仕事をずっとやりたいとは思わなかったのでさっさと辞めることにした。

ブラック企業で働いているのはどういう人達か

大雑把に言えば、アラフォー以上のおじさんと20代の若者。どこの会社でも30代の就職氷河期世代は少ないが、特にブラックSIの場合、若者は数年したら待遇のいい会社に転職して行くので(おめでとう!)中間層がいない。

それからこれは私がいたその会社の場合だけど、意外なほど高学歴の20代プロパー社員が多かった。っていうか、偏差値65越えの超高学歴の人も数人いて、なぜこんな優秀な人がこんなところに?と思わずにはいられなかった。彼らは例えば多浪であるとか何らかのハンデに加えて、口下手だったりして面接で損をするタイプが多かった。「経験を積んでさっさと転職しよう」という人もいたが、不可解なほど自信がなく「自分はよそに行っても一緒」と思い込んでいる人や、ひとつの会社に勤め続ける昭和的な働き方が好きな人、絶食系男子、あとは純粋なのか知らないが社長リスペクトな人もいた。

なんかみんな従順ですごいなと思ったけど、これだけ真面目だとそれこそ鬱病とかになるまで働き続けちゃうんじゃないかと心配になる(上記のように・・・)。辛いことからはさっさと逃げましょう。 長くなったので、辞めるまでの経緯についてはまた書きたいと思います。